コンビニジムというコンセプト

運動をしたいけど、フィットネスジムに通うのは面倒だと感じていらっしゃる方もいらっしゃるかもしれません。最近、近くにchocoZAP(チョコザップ)がオープンしたので見てきました。わずか1年で会員数1位を取った秘訣とは何でしょうか。マーケティングの視点で少し考えてみたいと思います。

chocoZAPはRIZAPグループによって運営されています。chocoZAPは月額2980円(税抜き)という低価格と、エステや脱毛などジムらしからぬサービスが顧客を引き付けているのではないかと思います。

/https://chocozap.jp/

chocoZAPの強みは下記の4つだと考えます。

1. 無人店舗モデル

チョコザップは無人店舗で運営されており、人件費を大幅に削減しています。これにより、コスト効率が高まり、収益性が向上しています。以前、私はエニタイムフィットネスに通っていたことがありますが、筋トレをするためのハイエンドなマシンとシャワーが併設されており、筋トレをするには十分な環境が整えられていました。スタッフの方も常駐されており、必要に応じてトレーニングの相談もできていました。

一方でチョコザップは、小さく運営していることが特長です。小さい店舗に10数台のマシンが並んでいるだけです。小さく運営できることで、場所もそれほど広いスペースを必要とせず、コストも抑えられるのかもしれません。

2. 手頃な価格

リーズナブルな価格設定で、誰でも気軽に利用できることが大きな魅力です。低価格でも質の高いサービスを提供することで、多くの顧客を引きつけています。24時間365日通い放題。コンビニジムという位置づけで、1日5分の 「ちょいトレ習慣」 を打ち出しています。シャワーは併設されておらず、来店してそのまま体を動かすことができます。この手軽さが分かりやすいのではないかと思います。

総合型のジムは都心では1万円近くすることもあります。ちょっとした費用で手軽に取り組めるというところが、忙しい社会人や主婦に受けているのではないかと思います。従来のジムを利用するターゲット層からずらしてマーケットにアプローチしており、新規需要も掘り起こしていると考えます。

3. 急速な会員数の増加

2023年2月時点で会員数は30万人に達し、その後も急速に増加し続け、2023年11月には100万人を突破しました。この急成長は、事業の成功を強く裏付けています。コンビニジムというコンセプトで入退会もスマホで簡単に行うことができ、着替えも必要なくいつもの服と靴のままでOK。非常にわかりやすいサービスで、店舗によっては、エステ器具の利用や脱毛、ネイル、ホワイトニング、ゴルフなど、様々なサービスが用意されているところが、従来のターゲット層とは違った層にアプローチできたのではないかと思います。

chocoZAP店舗数

出所:決算説明会資料 https://www.rizapgroup.com/ir/library

4. 豊富な出店数

短期間で多数の店舗を展開し、国内トップのフィットネスチェーンとしての地位を確立しました。店舗数の増加は、顧客の利便性を向上させるとともに、ブランドの認知度を高める要因となっています。

この急速な出店は、競合には真似することのできなチョコザップの強みの一つだと考えます。大きく仕掛けて市場を取りに行く戦略です。飲食店でもそうですが、飽きられたときは負担が大きくのしかかってきます。

chocoZAP会員数

出所:決算説明会資料 https://www.rizapgroup.com/ir/library

決算説明会資料では、退会率の数値が示されています。分母のアクティブ会員数の定義がよく分からないのと、2022年7月を基準としているので、具体的な数字は分かりません。休会延長制度を廃止することによって数値が上がっています。以外に幽霊会員数がいるのかもしれないですね。今後は、どうやって入会してくれた人を維持できる仕組みを作るのかが今後のカギになるかと思います。

退会数

まとめ

チョコザップの成功は、無人店舗モデル、手頃な価格、急速な会員数の増加、そして豊富な出店数という4つの要因に支えられています。これらの戦略が相乗効果を生み出し、事業の成長を後押ししています。今後もこの勢いを維持し続けることで、更なる成功が期待されます。改めて誰に、何を提供するのかが大事だと感じました。